「08春 展示会レポート vol.2」の巻
1件目の展示会アポイントは12時。初日なので それより早い時間帯にアポをいれることはできない。10/29 am10:00 品川駅
急ぐ事はない。ホーム内の「soup stock」で2種類のスープと玄米を食べる。
店内には、オイラとやや肉付きの良い男性 二人しかいない。中途半端な招かれざる時間帯なのだ。
男性はスープのみをオーダーしたのだろう。
右手に携帯、左手にスープカップ。メールをチェックしている。
まだ エンジンをアイドリングした状態の店内。
仕込みを前に、女の子達が ぼちぼちやりますか?的 雰囲気で 気持ちをゆっくりと温めているように思える。
そこに男性のスープを啜る音が響く。
一心不乱に、「ずっずっずっっっっ」とカップからインディアンの襲来を告げる騎兵隊のラッパのようだ。
ウィンドウで仕切られている 「こちら側」からは電車のホームが見える。
向こう側からは、動物園のサルのように映るかもしれない。
一定のリズムで電車が現れ、ドアが開き 人々を吐き出す。
スーツ姿の男性。それは都会でのカモフラージュ ウエアに思える。
グレー色のコンクリートで仕切られた空間に溶け込む。
ヒールの音に、何かの「意思」を滑り込ませ 攻撃的「リズム」と共に去っていくキャリアウーマン。
そしてパラパラと人々を飲み込み。電車は無限ループのように決められた場所へ向う。
そんな光景を3回ほどカウントして席を立つ。
まだ 「ずっずっっっっ」と騎兵隊のラッパは止まない。
そんなにスープが残っている事に驚く。何かの仕掛けがあるかもしれない。
スープストックの「彼女」達が、インディアンの襲撃を受けて 皮をはがれない事を祈りながら
山手線のホームへ向う。

12:00 目黒 「Que?」展示会場。
最初に謝らなければいけないのは、08春は展開はお休み。
Queをお買い上げいただいている皆様 申し訳ないです。
皆さんの期待を裏切らない すばらしい出来栄えの服でした。
いい訳するならば、08春で 「うわっ すごい」と思える服が やはり それなりの価格設定なので。
ケープコッドで アイテム毎に設定している上代を越えました。
申し訳ないけれど、その価格になる根拠のようなモノをオイラのレベルでは伝えられそうになかった。
17:00下北沢直営店舗。
以前にアプローチがあった新規メーカー。
代官山でふと立ち寄った店。エッフェル塔の模型が飾っていて 何かが引っかかった。
頭の中に住んでいるハンマーを持ったサルが後頭部を執拗に叩く。
ソコに吊るされていたシャツが 何やら得体の知れない存在をアピールしていて。タグを確認すると、以前 案内を頂いたブランドだった。
そんな訳で、15年ぶりに「下北沢」に。
簡単な挨拶を済ませて。サンプルを拝見する。
今回からの取扱いスタートは見送る。
18:00 吉祥寺 「round about」 の前多くは語るまい。
ドアに記された文字。「CLOSE」
下調べ不足がもたらした 結果。
普段 長距離を歩かないからか?
それとも 普段 履きなれているビルケンからニューバランス992を旅の相棒に選んだのが間違いだったかは分らない。左足 膝裏に違和感を覚える。
足を引きずりながら 京王 井の頭線に乗って 渋谷へ戻る。
渋谷の「なるきよ」で 1時間ぐらい飲んでホテルへ向う。
10/30 am 10:30 「toujours」 ショールーム。スタート時間をフライングする。申し訳ないけれど男性 一人でのピックアップだから アシストの女性が一人どうしても必要になる。試着が面倒でない服は 着てもらってバランスを見る。
大手のバイヤーさんが現れると スタッフを拘束するのが申し訳ない。
発注が多い バィヤーさんをアシストしたいだろうから・・・
30分前に ピンポーンとチャイムを押す。
スタッフは びっくりしている。
「早いですね~」と苦笑いしている。
絵型の枚数は変わらない。だけど よく見ると 絵が縮小されていて以前に比べて型数が増えている。前年に比べて2倍ぐらい。
コレクションの感想を述べるなら
「麻 リネン あさ リネン 麻」と言ったところだろう。
生地の選択は、洗いこんだ リネンが多い。
一連の作業を大体 終えた後に ぞくぞくと来店がある。
多くの小売店が期待しているブランドであることがうかがい知れる。

12:00 代官山
「HAVERSACK」の直営店が移転する前 代官山の交番裏の坂道がお決まりのコースだった。
日陰で 木々が生い茂り いち早く 秋には落ち葉の匂いを感じる場所だった。
向かう途中に「雑貨屋」もしくは「家具屋」があって その後 改装したなと思っていたらレディースの洋品店に変わっていた。
ものすごい勢いで変化していく街だから、「君」にとって いまさら驚くべきことではないかもしれない。
展示会に向う途中に、ちょっと覗いてみた。あまり時間が無かったので サラッと店内を見渡す感じで その時は 店を後にした。2年ぐらい前のコト。
うっすらと印象に残るのは、クラフト感の残る 民族衣装を再構築したアイテムが目に付いた。
「検索」と「検証」をひたすらに繰り返し ようやく扱いたいと思う レディースブランドを見つけた。そして、そのアトリエと直営店舗は↑だった。
扱うかに用いる「ものさし」には 雑誌の露出は含まれない。露出を第1に考えると足を踏み外すだから 意識的に 「雑誌の露出」という項目にフタをする。
「価格」、「アイテムの構成」 「バランス」「女性の気持ちを引き付ける何か」に照らし合わせていく。
こちらから申し込むからには、パラノイア的に調べる事が可能なことは念入りにみっちりと仕上げて望む。
悪い癖だけれど、最初は縫製や仕様からサンプルをチェックしてしまう。
大切なのは、細かなディテールよりも 女性の気持ちを掴む「何か」にチューニングを合わせなければならない。
でも 最初に目に飛び込んできた ブラックシャンブレーのロングシャツは 一見 古着をリメイクしたの?と思わんばかりに 細かなディテールを省いていなかった。
軍チノの「匂い」を損なわず 女性が今 穿きたいと思わせるシルエット。
女性が着るに丁度良い 肉感であり、ヴィンテージ スウエットらしさをうまい具合にソフトランディングさせたスウエットパーカ。
ついつい「男性の視点」でアプローチしてしまう。
しかるべき仕事がこなされている。もちろん 女性が 「あ、これ かわいい 着てみたい」と手を伸ばしてくれる「化粧」や「デザイン」は 女性デザイナーだから 「今」という空気を吸い込んだラインナップが目の前にある。
そこに 確信犯的に 古着やミリタリーの確かな仕様を滑り込ませている。
確かな古着の知識の引き出しを持ち合わせた男性デザイナーが、レディースを手掛けた時に陥る落とし穴を とても巧妙に回避している。
そのしたたかな 「商品構成」と「コーディネイト」のうまさに舌をまく。
足を引きずりながら坂道を歩く。
とても 疲れている。まともに歩くことができない。
スジが張っている。曲げると激痛が走る。
でも 優しい日差しがこぼれる坂道を歩きながら 「痛み」と交互に波のように迎える「感情」の正体を知ろうとする。
手探りで 向こう側にある「感情の正体」をぐっと引き寄せる。
それは、なんとなくだけれど 「希望」というフレーズが当てはまる気がする。
レディースという限定された箱に置いて 居場所のないオイラに少しだけスペースを与えてくれるかもしれない。
で 長い前置きはいいから 新たなブランドは何なの?と「君」は思うだろう。
「もったいぶって もう!」と。

